愛知県で太陽光発電を導入するなら、県や市町村から提供されている補助金制度について、正しく理解しておくことが大切です。上手に活用すれば、導入時の初期費用を抑えて設置できます。

この記事では、愛知県内の太陽光発電の補助金について主な市町村ごとに紹介し、申請の流れや見落としがちな注意点を解説します。

【この記事で分かること】 ・愛知県の太陽光発電の補助金 ・愛知県の太陽光発電の補助金を申請する流れ ・愛知県の太陽光発電の補助金を申請する際の注意点

愛知県の太陽光発電の補助金一覧

愛知県内では、地球温暖化対策の一環として、各自治体が住宅への再生可能エネルギー設備における導入支援をしています。

愛知県の住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金をはじめ、岡崎市・豊橋市・名古屋市など、市町村独自の補助金が用意されており、太陽光発電設備だけでなく、蓄電池やHEMSなども補助対象となる場合があります。

以下は、愛知県の太陽光発電の補助金の一覧です。

申請先	補助金名	補助対象	補助金額
愛知県	愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金	家庭用エネルギー管理システム	1万円
		家庭用燃料電池システム	10万円
		定置用リチウムイオン蓄電システム…	40万円
岡崎市	岡崎市地球温暖化対策設備設置費補助金	住宅用太陽光発電設備…	最大63万円（重点対策加速化事業を活用した場合）
		住宅用定置用リチウムイオン蓄電システム	最大35万円（重点対策加速化事業を活用した場合）最大15万円（重点対策加速化事業を活用しない場合）
豊橋市	家庭用エネルギー設備導入補助金	一体的導入（太陽光・HEMS・蓄電池）燃料電池リチウムイオン蓄電池…	1件12万円1件4万円1kWhあたり1万円（上限7万円）
名古屋市	住宅等の脱炭素化促進補助制度	太陽光発電設備・HEMS・蓄電システム・V2H充放電設備	築10年超の戸建て住宅の場合　3万円/kW（上限9.99kW）

それぞれの補助金を詳しくみていきましょう。

愛知県の補助金

愛知県では、住宅における再生可能エネルギー設備や省エネルギー設備の導入を支援しています。

直接的な太陽光発電単体への補助ではなく、他の省エネ設備との組み合わせで、市町村を通じて補助金が交付される仕組みです。

具体的な補助金額は、家庭用HEMSが1万円、家庭用燃料電池システムが10万円、定置用リチウムイオン蓄電システムが40万円となっています。各市町村の募集期間や要件を確認のうえ、お住まいの自治体を通じた申請が必要です。

戸建住宅・集合住宅ともに、自らが居住する住宅への設置、または新築に合わせての設置、あるいは第三者所有の住宅への設置で所有者の承諾を得ている場合が申請対象となっています。

太陽光発電施設の設置においては、電気事業者との契約締結も条件です。

参照：愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金

岡崎市の補助金

岡崎市では、地球温暖化対策推進のため「岡崎市地球温暖化対策設備設置費補助金」を設けており、市内の住宅に太陽光発電設備や蓄電システムの導入を支援しています。

住宅用太陽光発電設備については、最大出力の合計値に応じた金額、または設置費用50%のうち低いほうが補助され、70万円が上限です。

また、住宅用蓄電池の導入に対しても補助金があり、太陽光発電と同時設置の場合は上限15万円となります。

申請期間は例年設定されており、工事着工の21日以上前までに申請が必要です。住民税等の滞納がない、中古品・リース機器は対象外など、いくつかの申請条件があるため、岡崎市の公式サイトで詳細を確認しましょう。

参照：令和7年度 岡崎市地球温暖化対策設備設置費補助金

豊橋市の補助金

豊橋市では、家庭でのエネルギー設備導入を支援する「家庭用エネルギー設備導入補助金」を提供しています。

補助金額は、太陽光発電・HEMS・蓄電池の一体的導入で12万円、リチウムイオン蓄電池単体で1kWhあたり1万円（上限7万円）です。ただし、令和7年4月1日以降は太陽光発電単体への補助は終了し、一体的導入や蓄電池が引き続き対象となっています。

申請は工事着工の2週間前までに行い、豊橋市民で税金の滞納がないことなどが主な要件です。市の公式サイトで最新情報を確認し、電子申請システムから手続きしましょう。

参照：家庭用エネルギー設備導入補助金

名古屋市の補助金

名古屋市は「住宅等の脱炭素化促進補助」制度を通じて、太陽光発電設備やHEMS・蓄電システムやV2H充放電設備の導入を支援しています。

太陽光発電への補助金額は住宅の築年数によって変動します。また、住宅の種類や築年数で異なり、HEMSと蓄電システムの同時導入が条件となることが多いです。

蓄電システムには1kWhあたり1万5,000円、V2H充放電設備には5万円が補助されます。これらの補助金は年間予算が限られており、予算がなくなり次第受付終了となるため、早めの申請が重要です。

申請は工事着工前に行う必要があり、名古屋市民で税金滞納がないことが要件となっています。

参照：令和7年度 住宅等の脱炭素化促進補助

愛知県の太陽光発電の補助金を申請する流れ

愛知県や各市町村の太陽光発電補助金を申請する場合、自治体によって詳細な手順や必要書類が異なります。

基本的なステップを事前に把握しておくことで、スムーズな手続きが可能です。

ここでは、情報収集から補助金の交付まで、愛知県の太陽光発電の補助金を申請する流れを5つのステップに分けて解説します。

情報収集と要請要件の確認

太陽光発電の補助金申請を始めるには、居住する自治体（愛知県と市町村）の補助金制度における詳細な情報収集が欠かせません。

対象となる設備や補助金額、申請期間を把握するとともに、最も重要なのが「申請要件」です。多くの補助金は工事着工前の申請が原則となります。

導入を検討し始めた段階で、自身の状況（住宅の種類・築年数・併用する設備など）が補助金の対象となるかを早めに確認しましょう。

複数の補助金の併用可否も把握し、不明な点があれば自治体や専門業者に相談することが、スムーズな申請への第一歩となります。

申請書類の準備

補助金申請には多岐にわたる書類が必要となり、早めに準備することで審査がスムーズに進み、交付決定までの時間を短縮できます。

基本的な申請書類（交付申請書・住民票・印鑑登録証明書など）に加え、施工業者からの見積書や設備カタログなどの詳細な仕様がわかる書類も不可欠です。

特に、太陽光発電システムの仕様に関する情報は補助金額の算定に直結するため、施工業者と綿密に確認し、正確な記載が重要になります。

また、市町村税の納税証明書など、発行に時間がかかる書類は余裕を持って手配することが大切です。不備があると、審査の遅延や却下につながるため、提出前に複数回チェックしましょう。

自治体のチェックリストの活用もおすすめです。

申請書類の提出・交付決定通知の受領

全ての必要書類が準備できたら、自治体の担当窓口へ申請書類を提出します。申請書類の提出は、工事着工前に行う場合が多いです。

申請書類の提出後、自治体による書類審査が行われ、提出された情報が補助金制度の要件に適合しているか、記載内容に不備がないかなどが細かく確認されます。

審査を無事に通過すると、自治体から「補助金交付決定通知書」が発行され、通知書を受け取って初めて、太陽光発電システムの設置工事が開始されるのが一般的です。

提出期限や提出方法（郵送・窓口持ち込み・オンラインなど）は自治体によって異なるため、事前に確認し、余裕をもって手続きを進めましょう。

設置工事の実施・報告書の提出

自治体から補助金交付決定通知書を受け取った後、太陽光発電システムの設置工事に着手します。工事が完了したら、速やかに「工事完了報告書」を作成し、自治体に提出しましょう。

工事完了報告書には、実際に設置された設備の詳細や工事内容を証明するための書類が必要です。具体的には、工事の契約書や領収書、施工業者からの設置証明書、設置後の状況を示す写真などが含まれます。

自治体によって報告書の様式や提出期限、必要な添付書類が異なるため、事前にしっかり確認し、不備なく提出することが重要です。

補助金の交付

工事完了報告書が自治体によって審査され、内容に問題がなければ、補助金が交付されます。

通常、報告書提出から1〜2ヶ月、全体では申請から2〜8ヶ月程度で指定の口座に補助金が振り込まれることが多いです。ただし、補助金の種類や自治体の処理状況によって期間は変動します。

交付時期に関して不明な点や、手続きで不安なことがある場合は、補助金制度に詳しい施工業者や自治体の担当窓口に相談しましょう。

愛知県の太陽光発電の補助金を申請する際の注意点

補助金制度は初期費用を抑えるために有効ですが、申請にはいくつかの注意点があります。

ポイントを事前に理解しておくことで、「申請したのに受給できなかった」といった事態を防ぎ、スムーズな手続きと確実な受給につながります。

愛知県の太陽光発電の補助金を申請する際の5つの注意点を解説するため、申請前に必ずご確認ください。

申請期間と予算枠を確認する

愛知県内の各自治体が提供する太陽光発電・蓄電池の補助金制度は、それぞれ補助金額や条件が異なります。

補助金には予算の上限があり、受付期間中であっても予算がなくなり次第、先着順で締め切られることが多いです。

そのため、導入を検討する際は、速やかに情報収集を行い、早めに申請する必要があります。申請は基本的に設置工事前に行う必要があるため、年度初めから準備を開始し、年度前半での申請を目指すのが賢明です。

また、申請から交付決定までには一定期間を要するため、設置工事のスケジュールと調整することも忘れないようにしましょう。

事前申請が必要な場合がある

愛知県内の多くの自治体で提供される太陽光発電補助金は、自治体が補助対象設備の導入を事前に把握し、予算計画や要件適合性を審査します。設置工事に着手する前に申請を行うのが原則です。

ただし、交付決定通知を受ける前に工事を始めてしまうと、補助金の対象外となり、受給できなくなる可能性があるため、注意してください。

太陽光発電システムの導入を検討し始めた段階で、居住地の自治体の補助金制度を調べ、事前申請が必要かどうかを確認しましょう。

施工業者選びの際も、補助金制度に精通しており、申請手続きのサポートをしてくれる業者を選ぶのがおすすめです。

複数の補助金との併用について確認する

太陽光発電システムの導入においては、国や県・市町村など、複数の階層で補助金制度が提供されている場合があります。

これらの補助金は、それぞれ併用できるかどうかのルールが異なります。同じ設備の導入に対しては1つの補助金しか適用できない」といった制限や、「特定の組み合わせでのみ併用が可能」といった条件があるため、事前確認が不可欠です。

特に、太陽光発電システムに加えて蓄電池やHEMS・V2Hなどを同時に導入する場合、各設備に対する補助金の併用可否を詳細に調べることで、より多くの補助金を受けられる可能性があります。

申請前に、各補助金制度の要綱を熟読し、不明な点があれば自治体や施工業者に相談して、最も有利な補助金の活用プランを検討しましょう。

設置条件や設備要件を確認する

導入を検討している太陽光発電システムや関連設備が、居住地の自治体の補助金制度の条件に合致しているかを事前に確認しておくことが重要です。

愛知県や各市町村の太陽光発電補助金制度は、それぞれ細かな設置条件や設備要件が定められています。

例えば、太陽光発電システムの最大出力容量に上限が設けられていたり、特定のメーカーの製品が推奨されたりする場合があります。

また、蓄電池やHEMS・V2Hなどの関連設備と同時に導入することが補助金受給の条件となっているケースも少なくありません。要件を満たしていない場合、補助金を受けられない可能性があります。

施工業者との打ち合わせの際は要件をしっかり伝えて、適合するシステムを提案してもらいましょう。

必要書類を準備し提出期限を厳守する

太陽光発電補助金の申請における必要書類は、多岐にわたります。書類に記載ミスや添付書類の不足があると、審査に時間がかかったり、申請が却下されたりする可能性があるため、十分な注意が必要です。

特に、太陽光発電システムの仕様（設置容量・機器の型番・設置場所など）に関する情報は、補助金額の算定に直接影響します。そのため、施工業者と密に連携を取り、正確に記載することが大切です。

また、補助金制度には必ず提出期限が設けられており、期限を過ぎると申請自体ができなくなります。

申請は工事着手前に行うのが基本であり、予算枠も限られているため、速やかに必要書類を準備し、余裕をもって期限内に提出することが重要です。

まとめ

愛知県で太陽光発電システムを導入する際は、県や市町村の多様な補助金制度を賢く活用することで、初期費用を軽減できます。

各自治体によって補助金額や対象設備、申請条件や期間が異なるため、お住まいの地域の最新情報を確認することが大切です。

多くの補助金は工事着工前の申請が原則であり、予算枠に限りがあるため、早めの情報収集と手続きが必要になります。

必要書類の準備や提出期限の厳守はもちろん、複数の補助金との併用可否、設置条件なども事前に確認し、不備なく申請を進めましょう。

太陽光発電の導入は、経済的なメリットだけでなく、環境貢献や災害時の電力確保にも繋がります。補助金申請に関する不明点や、最適なシステム選びについては、専門家に相談するのがおすすめです。

太陽光発電の導入を検討される場合は、ソライズにご相談ください。ソライズでは、補助金申請のサポートを含め、太陽光発電の導入から運用まで一貫してお手伝いいたします。